石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)について
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石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)の原因
肩の筋肉に石灰(リン酸カルシウム結晶)が沈着していくことによる急性の炎症が原因です。30代以降の女性に多く見られ、加齢やホルモンの影響によって腱板が変成します。石灰は若いうちは牛乳のような濃厚な形状ですが、経年化するうち、ゲル状化し、最後には非常に硬くなります。この石灰膨張が痛みの原因となり、腱板から滑液包内に破れ出る瞬間、堪え難い激痛が襲ってきます。
石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)の症状
痛みは突然肩にやってきます。痛みは強くなり始めると数日間眠れないほどになり、肩を挙げることができなくなります。激しい痛みのため、肩の動きそのものが制限されるようになり、今度は筋肉の硬化が生じてきます(拘縮肩)。腕に触れるだけで激痛が走り、外傷がなく発作的な痛みの特徴が石灰沈着性腱板炎です。激痛は1週間から4週間続くことが多く、慢性の痛み(疼痛)が6ヶ月ほど継続するケースもあるため、五十肩と誤診されるケースがあります。
石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)の治療方法
レントゲン検査では、肩関節の腱板にしろいモヤモヤとした影(結晶)が写るため、炎症部分を特定できます。石灰による炎症を抑えることで痛みはほぼなくなります。通常は消炎鎮痛剤の投与、あるいは湿布薬(患部を冷やす)と安静に保つことで約一週間で完治します。診断によってはステロイド剤の注射を行いますが、劇的な効果が得られます。慢性痛の場合、あるいは症状継続の場合は関節鏡を使い、石灰を切除する方法も取られます。