肩腱板断裂について
頚椎椎間板ヘルニア|頚椎症性神経根症|外傷性頚部症候群|肩こり|五十肩(肩関節周囲炎)|肩腱板断裂|石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)|反復性肩関節脱臼
肩腱板断裂の原因
肩関節を安定させる筋肉、肩甲下筋(けんこうかきん)、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)の「腱」などが骨との摩擦で炎症を起こし、断裂に向かうことをいいます。インピンジメント症候群(滑液包に浮腫や出血が起こる)などのように過度な運動による摩擦で腱板損傷が増大し、靭帯が伸びて緩い状態になると、腱板が圧力に耐えきれなくなり、完全に断裂します。
肩腱板断裂の症状
主な症状としては、次の通りです。
・じっとしている時に肩の痛みが生じる
・仰向けで寝ているときに肩の痛みが生じる
・腕を挙げたとき、または降ろすときに肩の痛みが生じる
・新聞を持ったり、ドライヤーを使うとき、などに肩がだるくなり降ろしたくなる症状
・腕を挙げたとき、または下ろすときに引っかかり感が生じる、または音がする
などです。
また、急性断裂は転倒や、物の持ち運びで断裂音、激痛が走り、発症します。強痛は2,3週間続き徐々に落ち着きます。
肩腱板断裂の治療方法
腱板炎や部分断裂では、手術なしで治癒するケースが多くあります。消炎鎮痛剤の内服、理学療法と安静が必要です。ステロイド注射も効果的です。
滑液包炎の場合は、関節鏡下肩峰下形成術を行います。腱板断裂が大きい場合、腱板断端を上腕骨に縫合します。また関節鏡を併用し、骨の除圧は関節鏡で行い、腱板の修復は小切開を加えて行う方法(ミニオープン法)も非常に有効です。術後はリハビリにより、肩関節の機能回復に当たります。