変形性股関節症について
変形性股関節症の原因
変形性股関節症とは、何らかの原因で関節軟骨が変性・摩耗したり、骨の変形が生じることによって運動障害や痛みを生じる病気です。原因不明の加齢による一次性変形性股関節症と、何らかの原因で起きる二次性変形性股関節症とがあります。二次性変形性股関節症の原因としては、先天的に股関節の形が小さい臼蓋形成不全、発育性股関節脱臼、ペルテス病、大腿骨頭すべり症などの小児の病気の他、脱臼・骨折などの外傷、化膿性関節炎・通風などの炎症によるものなどがあります。
変形性股関節症の症状
変形性股関節症の症状としては、主に関節部の疼痛と機能障害があります。病状初期は運動後や長く歩いた時などに関節部、臀部、太もも、ひざの上などに鈍い痛み、こわばり、重い感じなどが起こります。変形が進行し進行期になると、歩きだす時に股関節部に痛みを感じる「始動時痛」を感じ、疼痛は股関節部に限定されていきます。さらに進行すると、運動時にも痛む「運動痛」が現れ、股関節部の動きが制限されていき、最終的には安静時にも強い痛みが生じるなど、日常生活に支障をきたすようになります。
変形性股関節症の治療方法
変形性股関節症の治療法は、大きく分けて保存療法と手術療法の2種類があります。保存療法は、「激しい運動を減らす」「外出時には杖を使う」など日常生活での負荷を減らしたり、体重の減量、筋力トレーニング・ストレッチなどの運動療法、湿布、温熱療法などの理学療法、薬物療法があります。保存療法を行っても症状が改善されない場合は手術が検討されます。手術の種類には、股関節の形や負荷のかかる方向を改善する骨盤骨切り術、寛骨臼回転骨切術などの関節を温存する手術と、股関節自体を人工のものに変える人工関節置換術、股関節固定術などがあります。