痛風について
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痛風の原因
痛風はその名の通り、風に当たっても痛むというほどの激しい痛風発作をもたらします。血液中の尿酸の濃度が高くなり、尿酸塩の結晶が関節の骨と骨の間に沈着して、からだの防御機構である白血球が反応して攻撃する時に起こります。
尿酸塩が関節に溜まると痛風発作になりますが、他の臓器にも溜まります。なかでも腎臓には尿酸が溜まりやすく、痛風発作のある人は腎機能にも注意が必要です。さらに、痛風患者の場合、心筋梗塞や、脳血管障害などの生命を脅かす成人病を合併する割合も高いのです。
痛風の症状
多くの場合、痛風発作が起こる少し前にはむずむずするような違和感を伴います。痛みは足の親指の付け根にでることが最も多いのですが、足首や膝にでることもあります。
典型的な痛風の発作は、激しい痛みで歩行困難になることも少なくありませんが、殆どの場合10日前後で治ります。
当初は年1~2回程度の頻度ですが、放置すると次第に頻発して慢性化するようになります。
慢性化すると皮下に尿酸の塊の痛風結節ができたり、腎機能障害を起こすこともあります。
また、尿路結石も約2割の患者で合併が見られています。
痛風には、肥満、高脂血症、高血圧症、耐糖能異常など、いわゆる生活習慣病が多いのが特徴で、これらは動脈硬化の原因となるので注意が必要です。
血液中の尿酸値は女性に比べて男性の方が高いので、痛風患者の殆どが男性で、尿酸値が高いほど痛風は起こりやすくなります。しかし、高血圧や心不全処方される利尿剤で尿酸値が上がることがありますが、尿酸値の高い人のなかで痛風発作を起こすのは一部なので、必ずしも尿酸値が高いと痛風になるとは言えません。
痛風の治療方法
痛風の治療は、痛風関節炎の治療と高尿酸血症の治療の2つに大別されます。
前者の治療は、急性あるいは慢性の炎症を抑えることが目的であり、後者の治療は生活習慣改善や尿酸降下薬を使った薬物治療が行われます。
痛風関節炎は、一般的に非ステロイド抗炎症薬を用いて、関節炎の症状が改善したら投与を中止します。痛風発作がひどい時には、多量にNSAIDを投与するNSAIDsパルス療法を行います。しまし、腎機能障害や胃潰瘍などの消化管障害によってNSAIDsが使用できない場合には、ステロイド剤を用いる治療を行います。
高尿酸血症の治療には、継続的に血清尿酸値を低下させるための治療指針が提示されています。