小児の骨折について
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小児の骨折の原因
小児の骨折にはいくつかの特徴がありますが、その中でも一番特徴的なのは小児の骨の特性によるものです。小児の場合、元気に外で遊んでいるうちに転んで骨折します。しかし、小児の骨は成長途中で骨には多数の小さな空洞があるのと、骨を覆っている骨膜が厚くて丈夫であることによって、外力に対して柔軟性がありますが、大人と違う骨折になることが多くなります。
最近の小児は昔に比べて骨折しやすくなったと言われていますが、その原因は次の2つだと考えられています。
ひとつには、食事におけるカルシウムの摂取不足とリンの過剰摂取です。
リンの過剰摂取というのは、レトルト食品や加工食品、お菓子などに含まれている食品添加物(リン酸塩)が原因です。
このリンは、血液の中でカルシウムの濃度と一定になるように保たれているため、リンを摂りすぎるとカルシウムが不足してしまいます。慢性的なカルシウム不足の状態になると、骨からカルシウムを溶かして血液中のカルシウムを補おうとするため、骨がもろく折れやすくなるのです。
食品添加物やリン酸塩を多く含む食品は、ソーセージ、ハム、缶詰、インスタントラーメン、中華めん、ソース、スナック菓子、アイスクリーム、清涼飲料水などがあります。
運動不足については、ゲーム機に夢中になっている子供の姿を思い浮かべていただければ、あらためて言うこともないでしょうから省略させていただきますが、やはり適度な運動をさせることが大切です。
小児の骨折の症状
小児が骨折した場合も、大人と同じで骨折した部位を動かすことができなくなります。
腕や脚の場合は、骨折した方の腕や脚だけ力が入らなくなり、腕をだらりと垂らした状態や、座り込んで起き上がれない状態になります。
それぞれの小児は違う現象が発生することがありますが、以下にあげたものは骨折の最も一般的な症状です。
•患部の痛み
•患部の腫れ
•患部の明らかな奇形
•通常の方法で損傷領域を使用するか、または移動する難しさ
•暖かさ、あざ、または患部の発赤
ポッキリと折れた場合(完全な断裂)は、骨折した部位が見た目にも変形しているのでひと目で分かります。また完全に折れたり、細かく砕けたりした場合には、内出血を起こしているので骨折した部位が変色して腫れ上がります。
ただし、骨折した部位が大きく腫れ上がるまでは、皮膚が変色していても打撲によるあざにしか見えない場合もあります。そのような場合には、骨折した部位を押してみると打撲とは異なる強い痛みを感じるので、骨折の可能性を疑って早急な処置を行なうことが大切です。
小児の骨折の治療方法
小児の骨折の場合、一般的には手術はせずに、ギプスなどで治療することが多いです。
手術をすると、骨折部分の骨膜を痛める場合もありますが、骨折した部位ぐらぐらして不安定な場合や神経、血管を傷つけている可能性が認められる場合には手術による治療が必要です。
また、関節周囲を骨折した場合は、手術による治療が必要になることが多いです。骨端線などの部位は関節の近くにあるので、成長とともに変形が現れてくることがあるので、骨折が治ってからも2年くらいは注意が必要となります。
小児の打撲の場合には、骨折の可能性も疑って念のためにギプスで固定をすることが多いです。骨折していない場合には数日で痛みはなくなるので、痛みのないことを確認してからギプスを外すようにします。
ひびが入っている場合は、レントゲンでも正確な判断ができないケースが少なくありません。この場合は、腫れ具合や皮下出血の有無、痛みの程度、部位などから骨折しているかどうか判断するようにします。